論 考

不細工な改造内閣

 岸田氏の采配は、目下、表面取り繕い型に見える。

 内閣改造を前倒ししたのは、国葬問題を抱え、旧統一教会と自民党議員の癒着関係に対する批判が拡大することを封ずる狙いだろう。

 旧統一教会との関係を清算せず、過去は過去として封印し、前を向いて、今後は批判されるような始末にはしないという対処方針だ。党は旧統一教会と関係を持たないので、各議員において自分でけじめをつけなさいという。

 関係した閣僚が7人去って、新入閣もふくめ関係した閣僚が5人残る。岸田氏は、わざわざ火種を残したが、それだけ、派閥の力にもたついている。

 政治家に倫理道徳を期待するのはナンセンスである。これ、政界の常識。もちろん世間常識とは異なる。

 旧統一教会問題は、問題としては単純である。岸田氏としてもすっきりさせたいだろう。それができない。言わずもがなで、安倍主義との確執が高まる。

 政策断行内閣と大上段に構えざるを得ない。その心は、マイウェイだろう。

 客観的には、寄せ集めリーダーシップ不在内閣というべし。不細工である。