論 考

問われる西側の中身

 ロシアがノルドストリーム1の点検と称して、ドイツ向けガス供給を8割減にした。部品の点検でなく、制裁の対抗としての措置である。

 米欧は、いよいよロシアが切り札に手をつけたという理解だろう。ロシアにすれば、欧州は直接戦闘に参加していないが、明確な敵である。ガス売上の貢献よりも、供給ストップの戦略的意義を重視するのだろう。

 欧米は、足並みが乱れず一致して行動するために調整会議を開いているが、それだけではだめだろう。ウクライナ戦争について、欧米の戦略を再点検する時期が来ているのではないか。

 いままで戦況の展開のみに関心が集まっていたが、このまま放置すれば、ロシアはウクライナ国家を消すところまで走る危惧がある。ウクライナが、ロシアを国境の外へ追っ払うという戦略が成り立つだろうか。

 ウクライナ支援というが、どこに戦略司令部があって、誰が責任者なのか。報道を見ていてもさっぱりわからない。

 西側という概念だけでは、戦争は片付かない。問題解決に着手すべき政治家が出てくるのだろうか。