論 考

紛糾するくらいの元気を出せ

 立憲民主党の再建について、代表続投に目下は大きな反対論がないらしいが、政調会長が刷新を求めている。刷新とは、いわゆる人心一新だろうから、現執行体制ではなく、再建論議をやろうという。

 当面、選挙戦略・戦術をPDCサイクルでいえば、C=検証するわけだが、現執行部だけが、検証作業をおこなっても格別の発見がなかろう。なにしろ現執行部が最善だと考えるプランで選挙に臨んだのである。

 一方、選挙結果が思わしくないので、直ちに執行部は総辞職せよというのも、再建作業の以前の取り組みが増えるわけで、まちがいなく手間がかかる。

 ところで、果たして選挙戦略・戦術だけが問題なのかと考えてみると、そう簡単に割り切られない。パーティ・アイデンティティ(PI)が問われているからだ。立憲の党内事情はさっぱり知らないが、理屈では、全党員総がかりでPIに着手するべきだ。

 はっきりしているのは、党の看板書き換え、党の顔の取り換えという次元ではないだろう。その意味では、刷新にせよ、PIにせよ、執行部以外から「これをやろう」という声が澎湃として起こらないのが気がかりである。

 党の足腰論程度でしかないのであれば、再建はおぼつかない。ハチの巣をつつくような議論を期待する。