論 考

野党は真の民主主義に突き進め

 参議院議員選挙結果は、つまるところ選挙マシーンのしっかりしている政党が勝利する。当選者の中から、本当に仕事師と呼べる政治家が育ってくださることを期待する。

 選挙の合間に政治をするような気風が支配している限り、国民が政治家から啓発されることはない。国民が政論を語らない気風において、選挙政治家でない政治家が増えることもない。

 自分の意見をもたなければ、国家主義思想はラクだ。ただし、避けがたい不条理に突き当たるまでの間である。

 野党は、政権を担うという志を掲げるよりも、政治の方向性がおかしくならないように、野党的大局観を確立してもらいたい。それができていないから、いかに各党が政策を並べても迫力がない。

 安倍氏の事件で、最後は民主主義を守れ、のオンパレードだったが、自民党が議会制民主主義をねじ曲げてきたことを忘れていない人にとっては、まことに中身空疎の典型でしかなかっただろう。

 巨大政党は舵取りが難しい。野党は大きく見て、水先案内の力を確保したい。政党を大きくするのは量だけではない。真の野党として政治の質を高める議論を挑まねばならない。

 とくに、立民には、政治家の質において他を凌駕する決意がほしい。さらに、執行部任せでなく、全員で党活動の質を高めるにはどうするか。党を変えるためには、まず、自分自身が変わることだ。