論 考

ジョンソン辞任は当然

 英国では、ジョンソン氏の首相辞任は、驚きよりも、やっとかという雰囲気である。昨年半ばにはほぼ人心は離反、今年に入ってロシアのウクライナ侵略前には、延命条件としてはウクライナで戦争が起こることくらいしかないと言われていた。

 トランプとジョンソンは嘘つきで共通する。ジョンソンのような影響力ある政治家が他に見当たらないという新聞の解説もあるが、言葉に信頼をおけず、ちゃらんぽらんな人物の政治的影響力など評価できない。

 政治家というもの、かき混ぜて騒動を起こすのは容易だ。しかし、堅実に腰を据えて問題に取り組むタイプの政治家はちょっと見当たらない。

 ロシアの大統領報道官が、「彼(ジョンソン)は、私たちを好きでなかったが、私たちも同じだ」と語ったのは、ロシア発では、ひさびさに同感だ。

 バイデン氏は民主主義対権威主義を唱えるが、果たして、民主主義側を自称する政治家に、本気の民主主義があるか。一皮むけば、みなさんが国家主義である。国家主義とは権威主義である。

 わが国も決して他所事ではない。選挙戦で、自民党議員の暴言が伝えられているが、傲慢とか、緩んでいるとかではなく、国家主義に立つから、上から目線の発言が飛び出す。陣笠だろうが、大物だろうが、デモクラットかどうかを見抜くことが、1庶民デモクラットの根性でありたい。