論 考

戦争がわかっていない

 プーチンが、三井物産・三菱商事が出資しているサハリン2を、新設するロシア企業に譲渡する大統領命令に署名した。両社の出資比率は合計22.5%、シェルは27.5%だがすでに撤退を表明した。日本がサハリン2から輸入するLNGは、全輸入量の8.8%だという。

 記事のトーンに違和感がある。事前説明がなかったとか、日本がロシア制裁をしているから究極のいじわるだという企業の意見が紹介されている。で、政府は、日本に揺さぶりをかけているという見方をしているという。

 対ロ制裁は、ロシアがゲームで反則したので罰を与えるものではない。これは、ウクライナ戦争の一部なのだ。昔流なら、兵糧攻めである。

 事前説明がないとか、いじわるだとか、揺さぶりだとか、こんな修飾語は事実を正確に表現しないし、政府・与党もメディアもまるで戦争がわかっていない。

 だから軍備を整える程度では安全は担保されないと、しばしば指摘してきた。西側の金魚のうんこをやっているオツムで、日本の安全保障を語れるものか。