論 考

岸田流言論術

 核禁会議が閉幕した。本日読売社説は、「核禁会議 理想と現実の溝をどう埋めるか」を掲げたが、理想側が現実側へ近づけという論調だ。理想側が現実を無視してはダメだが、現実側が現実にひたすらこだわるのでは溝は絶対に埋まらない。

 核兵器も他の兵器も殺戮と破壊に役立つものであって、そんなものが必要とされる現実を上等だと思うわけにはいくまい。

 現実のダーティな本質は、核兵器にせよその他の兵器にせよ、きっちり儲け話と密着しており、おカネの面から簡単に縮小したくないからだ。人の生命をおカネに変える仕組みを現実側は高らかに自慢できるのだろうか。

 岸田氏に言いたい。保有国と非保有国の間の架け橋論で適当に時間潰しをやるのは、さかんに強調する被災地出身が経歴詐偽に見える。わたしですらそう思うのであって、被災者の方々にすれば怒り心頭だろう。