論 考

与党を撃て

 東京五輪は、1.4兆円の大盤振る舞い。誘致当初は7,340億円だから、2倍。しかも沿道警備や、他の名目に転化できるものは振り替えている可能性が高く、本当のところはわかっていない。無計画、乱脈、無謀だった。

 本日、参議院議員選挙公示だ。前評判としては与野党ともにしゃっきりした主張がなく、報道は「論点不在」論をベースとして展開しているが、まるでわかっていない。

 安倍政治から続いて、「なにかおかしい」と感じている人は少なくない。たとえば黒田日銀は、9年前に金融をじゃんじゃん緩めて2%インフレを2年で達成すると吹いた。まったく的外れで、いまや円安が人々の生活を直撃している。安倍も黒田もドがつく厚かましさだが、本当のところは、お手上げで、神頼みしている。

 ウクライナ戦争では、はっきり言って、アメリカもEUもNATOもお手上げ。ゼレンスキー孤軍奮闘だが、応援団が息切れしていて、打つ手なし。

 なにを狂ったのか、政府与党は、防衛費2%を持ち出したが、なにをするのか不明、財源は国債。みなさまの安心・安全を守りますと吹けば票になると過信している。軍備が膨れたところで、人々の生活が困窮を深めれば、戦前の欲しがりません勝つまではと同じで、倒される前に自動的に倒れる。

 与野党議員諸氏が緩んでいると見ている人は圧倒的だ。参議院選挙では、大きく政権が崩壊することはないのが普通だが、果たしてそうだろうか。投票率が前回の48.8%を超えて、50%後半に上がれば、まちがいなく与党候補の敗北が増える。19日の杉並区長選挙がぴったりの見本だ。

 まず、与党を減らす。選挙戦では、野党候補のほうが言論の弾丸が多い。これを使わぬ手はない。徹底的に与党を撃て。撃てば、人々の気持ちに響く。