論 考

真面目にやれ

 コロナウイルス感染発生以来の経緯を徹底検証して、新しい司令塔を作るという岸田コウヤクは、PDCサイクルの真面目を政治に取り込むので、おおいに歓迎し期待したのだが、1か月ほど委員会の形をつけただけだった。

 新司令塔を立ち上げたので岸田氏は公約を守ったとするのだろうが、ほとんど検証らしいものがなく、直ぐにはがれる膏薬だった。

 人柄が好感されているという政治記者らの評価があるが、安倍氏や菅氏のつっけんどんとの表面的違いに過ぎず、中身の質の低さは隠しようがない。期待しないから、目障り耳障りでないだけマシというあたりだろうか。

 司令塔を作っても、対処すべき問題には、コンテンツとプロセスがあるわけで、省庁縦割りの弊害が多少改善されても、それはプロセスのみ。感染症対策のコンテンツを検証せず放置するならば、なにもやらなかったのと同じだ。

 感染症研究の業界、いや学界筋も鳴かず飛ばず。典型的な怠惰と怯懦の状態だ。真剣さがない。

 プーチンが大馬鹿をやったのに便乗して、民主主義対権威主義を振りかざすが、形式民主主義・中身権威主義が、日本政治の実情である。