論 考

からっきしだ

 アメリカ5月のCPIは8.6%上昇。株は大崩れ、10年物国債は利回りが2倍以上に上昇して売り。インフレファイターのFRBが、さらなる引き締めをおこなうのは当然視されていたが、引き締め幅が大きくなるのではないかという投資家の観測だ。

 S&P総合500種指数は、年初から18.2%下落、経験則で20%が弱気相場入りだという。

 経済成長停滞と物価高でスタグフレーション懸念の声も上がる。政治的には物価抑制が絶対であるし、FRBが軟化する可能性は薄い。

 もちろんアメリカだけの話ではない。世界は異常な経済ショックの渦中にある。疫病・戦争・飢饉・大量死は紀元前から破滅への道として警戒されてきた。とにかく政治家たちは対応能力を欠いている。

 ウクライナ戦争を止めなければ世界を席巻する大経済ショックは収まらない。アメリカはじめ西側が取るべき道ははっきりしている。中国と協調してこれ以上の人災を避けることだ。

 ゼレンスキー氏が武器供給を要求するが、氏が自分の口から西側に介入してくれとは言えない。西側は、わかっていないのではあるまい。

 アメリカはじめ西側政治家が、威勢のよい言葉に隠れて、ウクライナを見殺しにするように見えて仕方がない。ついでながら、わが国の政治家には、まったく問題解決能力がない。トンチンカンの極みだ。