論 考

英与党・保守党のセンスに好感

 6日、英保守党内でジョンソン党首不信任投票がおこなわれた。

 2019年12月総選挙で、保守党が圧勝し、全野党合計より80議席多い359議席を占めた。不信任投票結果は、不信任148(41.2%)、信任211(58.8%)で、党首続投が決まった。

 前任のメイ党首は、ブレグジット推進で大苦戦して、2018年12月にジョンソン氏らが不信任投票にこぎつけたが、317人中200人が信任(63%)して続投した。メイ氏は翌年5月に辞任した。今回は、信任58.8%だから、メイ氏よりもだいぶ低い。

 ジョンソン不信任投票の直接の原因は、コロナで国民に厳しい対応をしてもらっているとき、首相官邸でパーティをやったことが露見したからだが、ジョンソン氏の法律違反や、嘘をつく性質が嫌悪された。増税、生活費負担増に対しても与党内で強い批判がある。

 保守党の規定で、向こう1年間は党首選挙がない。次の総選挙は2025年1月24日以前におこなうから、ジョンソン首相は2年以上の任期を残している。

 ただし、不信任に投じた票が予想以上の凄い数字であり、前途多難というのが政局の評価らしい。

 圧倒的多数の議席を有していても、党首・首相としてちゃんとしていないとダメだとして、不信任投票をおこなった英国保守党議員が、わが自民党議員よりも数段センスがよいことが理解できる。