論 考

誰が火中の栗を拾うか

 ウクライナ報道は精彩を欠く。事態が膠着しており、動向が読めない。表に出てている動きは戦争継続で、水面下でどんな動きがあるのか探れない。

 停戦のイニシアチブを誰が取るか。アメリカとNATO、EUの足並みが揃わないと具体的な動きにならない。

 停戦のイニシアチブが始まると、NATOの結束がどうのこうのという次第になる。これはオセロゲームみたいに、一挙前進する必要がある。半端な動きであれば、ウクライナが判断できない。

 水面下で、ウクライナとEU、NATOの交渉がかなりおこなわれているらしいが、これまた確かではない。

 世界は、経済を中心にますます不具合が進んでいる。さらに加速すると、情報戦で優位にあるとされてきたウクライナが苦しくなるだろう。プーチンはそれを見越して長期戦の構えを崩さない。

 アメリカは中間選挙が着々近づいてくる。バイデン氏のチームの戦略構築は難しい。時間が進むほど、米国内一本化が難しい。

 理屈では、戦争の膠着状態は政治の出番だが、政治の出番は、政治家が決意を固めて動けるかどうかにある。これが最大の心配だ。