論 考

バイデン氏の度量いかに

 ゼレンスキー大統領が、国内テレビで、「紛争は外交を通じてしか解決できない」と語った。詳細な文脈がわからないが、その通りである。

 バイデン氏はじめ西側の諸政治家は、この機とばかり、周辺のガードを固めることに奔走する。ただし、まず、ウクライナ戦争の「停戦」に知恵と汗をかくのが正しい段取りだ。

 岸田氏が訪れた東南アジア諸国でも、アメリカのベトナム、イラク、アフガンなどでの対応と、正義の旗を振っている現在とがダブルスタンダードだと批判する声が強い。

 たままた、ブッシュ氏が22日に集会で、「2003年のイラク侵攻は不当で野蛮だった」と語った。しばし、気づいてウクライナと言い換えたが、小声で、イラクもだと語って、聴衆は笑ったそうだ。(cnn)

 まさにその通りである。反省だけならサルでもできるが、さて。

 ウクライナは、22日の最高会議で、戒厳令・総動員令を24日からさらに90日間延長した。ウクライナはギブアップできない。しかし、西側諸国は武器弾薬を送って戦争の長期化、膠着化を放置するだけでいいだろうか。

 正々堂々たる停戦仲介、和平のプロセスを構築することのほうが、お仲間作りに奔走するよりも大きな支持を獲得するのは疑いない。

 岸田氏がバイデン氏に提言することはなかろうが。