アメリカによるIPEF(インド太平洋経済枠組み)構想が打ち出される。詳細はまだわからないが、関税引き下げのような市場開放をめざさない。
昔から、アメリカ人が概して非哲学的だといわれるが、まあ、その典型だ。
カント(1724~1804)は、貿易は本質的に平和を必要とするから、世界が自由に貿易できるならば、平和になることを指摘した。その通りである。
ところが、本気で世界平和など考えたこともない連中は、いかにして自国が優位に立てるかという意図で外交に臨む。しかも、言葉だけは平和を云々するのだから質が悪い。
いま、ロシアのウクライナ戦争のおかげで、人々の目がくらんでいるのが、チャンスというわけではなかろうが、世界をグループ化することが、平和へ向かわないくらいは、バイデン氏もわかるだろう。
なにごとも米国優先で好き放題やってきたことが、プーチンの暴走を生んだ原因であることを、少しは本気で考えたらどうなんだ。