論 考

素人のスーパー談義

 日々の生活のために、中堅どころのスーパーを数軒回っている。なかなか面白い。土地代が高い都心だから、概して商品スペースを拡大するために、店内歩道が狭いのが共通点である。

 商品は、かなり共通していて、それぞれ工夫しているのは、店で作るらしい惣菜である。揚げ物が多いのも共通している。40年前に、ダイエーの中内さんが、流通セミナーで、これからはミールソリューションの時代だと話された。なんのことかと調べてみたが、煎じ詰めれば、いかに食欲(購買)をそそる食べ物を工夫するかというのだろうと考えた。

 以前、インタビューしたとき、店内で弁当や惣菜を作るのが面白く、やりがいがあるという話を聞いた。スーパーといえば、どこかで作った商品を並べて販売するだけみたいに考えると、作る楽しみや喜びがない。この話は大事なポイントだと思う。

 果物や野菜を並べて、ちょっとした芸術家気分を味わうと話した人もいた。これもうなずける。彼は、売れるのは嬉しいが、せっかくの芸術品が壊れていく! のは残念だと笑っていた。

 弱点は、刺身だ。刃を入れてから時間が過ぎるほど活きが感じられない。スーパーで刺身を買う場合、調理直後でないとダメだ。某百貨店食品魚売り場では、客の注文によって、調理する。やはり、この方法がいちばんだ。

 大きな課題だが、客が他の客を意識して歩かねばならないのは興ざめだ。せっかくの商品が光らない。最近訪れるようになった某スーパーは、他と比較するとダントツに歩道がゆったりしていて、気分がよろしい。

 つまりは、商品を絞り込むことが非常に大事なのだと思う。