論 考

平和なくして正義なしだ

 マリウポリは、たぶん持たないだろう。しかし、アメリカはじめ武器支援に余念がない。

 昨日のG20財務相・中銀総裁会議では、米英などが、ロシア中銀総裁の発言の際に退出した。

 ミシェルEU大統領は、キーウ訪問して、ウクライナとの連帯を表明し、ロシアの戦争犯罪は裁かれねばならない。「正義なくして平和はない」と言いい切った。プーチン・ロシアを許してなるものかという気持ちの高揚はわからなくはない。しかし、わたしは停戦第一主義である。

 どんなにロシアに対して悪態をついたところで、戦っているのはウクライナの人々であり、彼らは不屈の精神を見せているが、自分たちでは止められない。ノックアウトされるまで、戦わせるのは、セコンドとしては無策だ。

 西側は停戦で結束せねばならない。後ろから囃しているだけだ。

 正義なくして平和はないというが、「平和なくして正義はない」とも言いうる。エラスムス(1466~1536)は、時によっては、「カネで平和を買うべき」覚悟が必要とも言って、平和の大切さを訴えた。

 ウクライナの闘志はすでに十分示された。武器を送るよりも、停戦に力を注げ。破壊と殺戮の勝負には本質的に意味がない。