論 考

アメリカは代理戦争を止めさせろ

 アメリカの下院軍事委員会では、「どうしたらもっと(ウクライナ支援)できるか」というテーマで、オースティン国防長官やミリー統合参謀本部議長に多くの質問が出されたという。

 2人の見解は、いままでの対応が正しかったという前提で、ウクライナ戦争は数年間続く可能性があると分析してみせた。

 ここから読み取れるのは、アメリカが停戦へ汗をかく気がない。中国になんとかせよと脅迫まがいに注文しつつ、西側総本山のアメリカは知らんふりだ。

 そもそもウクライナ戦争における、ロシアの正面的は米欧・NATOであり、ウクライナは代理戦争を戦っている。

 「どうしたらもっとできるか」というのは、言葉を代えれば、ウクライナをもっと戦争させるという意味だ。ロシア軍の残虐・野蛮を糾弾するのは当然だが、ウクライナにもっとやらせるというのは、別の意味で、やはり残酷・野蛮だ。

 そもそも、ウクライナにNATO加盟を焚きつけたのはアメリカである。ウクライナがその気になって、結果、ウクライナ戦争だ。未加盟であっても、少しでも早く停戦できるようにするのが、アメリカ・NATOの責任だ。

 目下のアメリカ・NATOの態度は、わたしにはとても理解できない。