論 考

各国首脳は停戦の行動を起こせ

 昨日ベルギーでウクライナ問題に関して、NATO、G7、EUの会議が次々に開催された。NATOは、ロシアに面した、エストニア・ラトビア・リトアニア・ポーランド・スロバキア・ハンガリー・ルーマニア・ブルガリアの8カ国に、戦闘部隊を配置して備える。

 ロシア侵攻が目論見通りに進まず、ウクライナの反攻が成果を上げてもいる。南東部のベルジャンシク港では、ミサイルを発射していたとみられる、ロシアの揚陸艦をウクライナが撃沈した。

 国連では、ウクライナの人道危機について、ロシアの敵対行為の結果だという決議が採択された。賛成140、反対5、棄権38、無投票10である。

 プーチンが、初期作戦の失敗で、追い詰められているとの分析が的を射ているように思える。そこから、ロシアの無差別攻撃が心配される。さらには、数か月にわたって膠着状態を招くのではないかという危惧も膨れる。

 ロシアは、西側がキエフ政権を武装化して、紛争長期化を望んでいると批判した。これを逆にいえば、ロシアは長期化を望んでいないとも考えられる。

 やはり、停戦合意、ロシア軍撤退へのアクションを進捗させたい。戦争は外交の手段の1つだが、容易に外交の出る幕がなく、戦争自体が目的化しやすい。ぜひ、さらなる戦火の拡大と長期化を避けたい。