論 考

プーチンを、さらに暴走させるな

 18日モスクワで、クリミア半島ロシア編入8周年の集会が開催された。10万人(20万人とも)が集まったという。

 プーチン氏は、ロシア軍兵士が、ウクライナのジェノサイドから解放するために、英雄的に戦っていると演説した。

 集会のテレビ報道が一時途切れて音楽が流された。技術的問題だというが、さまざまな憶測を呼んでいる。

 ロシア軍は、ウクライナの制空権を手にできず、食糧・エネルギーなどの兵站が間に合わないという分析もあり、当初のプーチン戦略が失敗したことは疑いない。

 国内向けに、プーチン氏がいかに報道統制をやろうとも、国際的には取り繕えない。つまり、戦況がますます不都合になり、行き詰った場合、暴走に歯止めがかからなくなる危惧が膨らんでくる。

 バイデン・習会談がおこなわれた。米中が、戦闘停止へのリーダーシップを取るべきだ。たびたび主張しているが、アメリカが、不信に駆られて中国をロシア側へ押しやってはならない。中国がロシアを支援した場合の制裁をちらつかせるような交渉は、失礼でもある。

 戦闘が長引くほど、プーチンの暴走の危険が加速する。これを忘れてもらってはいけない。