論 考

自分の墓穴を掘ったプーチン

 ロシア経済は、現在、衝撃的影響にあって、前例がない事態にぶつかっている。これ、ロシア当局者の発言だ。

 ウクライナ侵攻前、1ドル80ルーブルだったものが、120ルーブルになった。ロシア中銀は9月9日まで、外貨の両替を停止した。

 消費物価が相当引き上がって、人々は生活に大きな影響を受けている。これから、物資もどんどん欠乏する。

 プーチンの最大誤算が、具体的に現れた。短期間に片付ける腹算用だったろうが、ウクライナの人々が頑強に抵抗している。

 絶対的に武力で圧倒しているロシア軍だから、制圧は可能だとしても、世界の金融・供給網・インターネットのネットワークからボイコットされたロシアのダメージは、とても、戦闘勝利を悦べるものではない。

 ロシアが、ウクライナ占領体制を維持するのは不可能だ。

 シュンペーター(1883~1950)は、イノベーションのためには創造的破壊が必要だと主張した。プーチン流は、破壊的破壊のみで、なんの価値も生まない。

 中国とのパートナーシップは、名目化する。利口な中国は、ロシアの大きな負の事業に投資しない。投資が実現するとすれば、ロシアが中国の属国化するときだ。プーチンは、墓穴を掘った。