論 考

デインジャラス・ヒポクリット

 「王様」が戦争を始める。専制政治、独裁政治、民主政治の、いずれにおいても、戦争を始めるのは王様である。

 戦争するのは、王様ではなく、普通の人々である。武器を持てない幼い子どもであっても、戦争が始まれば、戦争をしている。

 いかなる社会であろうとも、王様の地位にある者が忘れてならないのは、その地位は、人々のために奉仕する侍僕を意味する。

 おおかたの戦争は、それを、忘れた王様が開始する。

 侍僕たることを忘れるのは、王様が、自分以外の人が、自分と同じ人間だという事実を忘れるか、無視している。

 王様が開始した戦争は、敵との戦争であると同時に、自国民に対する戦争でもある。プーチン氏だけにあらず、王様は最も危険な偽善者である。