論 考

正義なき国際関係

 仏・独が話し合いに奔走しているのを横目に、アメリカは、ロシアがウクライナに侵攻すると決めつけて、むしろ挑発している観がある。

 11日ブリンケン氏が、「われわれは、侵攻がいつでも起こり得る状況に置かれている」と語った。

 いずこの国(国家同盟)も、他国を侵略するために軍事力や防衛網を整備しているとは言わない。しかし、相手国からすれば、まちがいなく脅威である。

 ブリンケン氏の文学的表現は、実は、相手国も同様に考えているのだから、論理上は、自分たちもそのような状況を作り出しているわけで、単純に正義の発言だとは言えない。

 つまり、口喧嘩の当事者は自分こそ正しいというが、客観的には、目糞鼻糞を笑うという次第だ。