論 考

日米首脳会談

 昨日、岸田氏とバイデン氏の会談がおこなわれた。

 いわゆる日米同盟を遺漏のないようにする狙いであろう。詳細な内容が発表されていないが、日米同盟の確かさを相互に確認するだけでは自己満足である。

 いまの国際関係を不安定にしたのは、誰が見ても各国の政治家である。国際関係の不安定さを与件として、それぞれがひたすら軍事的防衛の構えを深化させるだけであれば、国際関係の不安定さは益々深化する。

 日米首脳会談は、なぜこのような事態になっているのか、国際関係の安定化のために、対立する国々との関係を改善するためにはなにが必要なのか、といった本質的問題を論議してこそ意味がある。

 バイデン氏にしても、岸田氏が一途に日米同盟強化のカテゴリ―でしか意見を述べないのであれば、結果的に日本が重石になる。

 日米同盟の価値は、日本がアメリカにべったり追従するのではなく、アメリカが担っている負担を軽くするためにも、日本独自の国際関係安定の努力と見識を語ることが必要だ。

 公表されていない内容に、このような意見交換があったのかどうか。