論 考

いまは底だから、ごそごそ活動しよう

 フィナンシャルタイムズのコラムニストが、過日のバイデン演説について論評している。

 バイデン氏は、アメリカ国民が「malaise」(漠然たる不安・沈滞感)にあると語った。

わたしが見るところでは、アメリカ人は、「melancholy」(ゆううつ感)に近いのではないかと思うが、それはともかく、コラムニストは、バイデン氏の指摘は正しいのだが、気力の問題は修復できないという。

 人々の気持ちを転換させるためには、政治家は、内外政治を通して、人々の気持ちに働きかける。しかし、バイデン氏の(民主主義に対する)志を、具体的政治で動かすだけの権限はない。

 大変な、そして大切な課題をぶち上げたのだけれど、果たして人々の気持ちを動かすことが可能だろうかと危惧するわけだ。

 これ、他国の話ではあるが、わたしは、日本のわたしたちにも一考すべき意味のある視点だと考えている。

 日本の雰囲気を眺めれば、1990年代半ばから、いわば低空飛行に入り、30代前後の人々は低空飛行時代しか知らない。

 わたしは、もの心ついたのが1950年代で、ざっと70年、アップ・ダウンの社会的雰囲気を感じてきた。まあ、目下はナベの底にいるから、これからは少しごそごそ行動するだけでも、上昇機運だと見る。

 大事なことは、自分らしいごそごそ活動を起こすことだ。やりましょう。