論 考

自戦車対歩行者

 徒手空拳!の歩行者にすれば、自転車の走り具合が気になって仕方がない。わたしは、自戦車と名付けて、極力前後左右に気を配りつつ歩く。

 信号無視がかなり多い。歩道走行では歩行者優先原則で、これを知らない人はいないと思うが、オラオラ、ドケドケと怒声が聞こえるような走りっぷりである。

 お子さんの送り迎え、家事、お仕事の時間制限に追われて止むを得ず血相が変わるのだろうと、密かに同情しつつ、極力腹が立つのを抑えているのだが、まあ、この調子では事故が発生しないほうが不思議である。

 新聞家庭欄に女性の身辺を巡る軽妙な連載コラムがあって、なかなか人気があるらしい。そこに、子どもが「ママの自転車に乗るかっこうがわるい」と言われたエピソードがあった。

 競輪ではあるまいし、そもそも自戦車自体がとても不細工だ(と、わたしは思う)。しかし、かっこうよく乗るということが、1つのキーワードだとすれば、なるほど、オラオラ、ドケドケ調になるのは必然である。

 歩行専門のわたしも、かっこうよく自戦車を避けるといたそう。