論 考

目下のコロナ騒動を考える

 イギリス首相ジョンソン氏が、昨年5月、首相官邸でパーティを開催したことが露見して、辞任要求の声が上がっている。

 当時は、国民にコロナ感染拡大防止で非常に厳しい措置をとっており、親族の死に目にも会えない人がいた。

 ジョンソン氏にたいしては、高慢で嘘つきだとの批判が定着しているから、窮地に追い込まれている。

 イギリスの感染者は1,500万人近く、死亡は15万人超。12万人亡くなった時点で、ジョンソン氏は為政者として謝罪したが、その後も着々と増加している。対策は、ほとんど行き詰まり状態みたいである。

 わが国の感染は、1日から11日まで1日平均4,134人であったが、12日には13,244人へ一挙4倍に跳ね上がった。

 オミクロン株は重症化しないという説が流れている。科学的知見として確定したとは言えないが、そうあってほしい。

 そこで、感染拡大防止対策をどうすべきか。ここまで拡大したから、強烈な「自粛」(実質的ロックダウン)が可能かどうか。短期間に決着できる見通しが立てばよいが、それは無理だろう。

 岸田氏は、公約で、昨年からのコロナ対策を検証・総括して、司令塔を作るとしたが、その後の経過がわからない。

 専門家といっても、わからないことだらけだろう。感染症対策素人の政治家が、つじつま合わせの政策を打ち出す前に、オミクロン株に対する議論を全面的に公開してもらいたい。

 国民は、でたらめな行動はしない。結論ではなく、誰もが考えて行動するための「知見に値する」情報を公開するべきだ。