論 考

岸田氏も所詮小粒か!

 岸田氏は、敵基地攻撃能力を保有する検討をすると語る。

 戦術では、攻撃は最大の防御だというが、これは専守防衛論と相反する。

 仮に、敵がミサイル発射準備の作業に入った時点で、攻撃されることが察知できるだろうか。準備していても、「発射」サインが出るまでは攻撃されることが正確に判断できない。

 潜水艦や移動式発射台からミサイルを発射するならば、まず、「基地」の察知は無理である。敵基地攻撃能力は、技術論として困難だ。

 岸田氏の考えは、敵基地攻撃能力を議論するという流れにおいて、国民の切実感を煽り、平和憲法にたいする支持を実質的に葬り去ろうとしている。

 さらには、平和憲法に基づいた外交をおこなうポリシーをもたない自民党を、威勢のいい話で固めて、岸田氏の党内基盤を固める意図もある。

 政治家が軍事的安全保障論を声高に語るのは、大方は政権維持戦略だというのが歴史的教訓だ。質の低い政治的プロパガンダである。