論 考

帝国軍隊の亡霊!

 岸田氏は、コロナ感染拡大防止対策で、海外からの入国を厳しく制限した。そして、「岸田は慎重すぎるとの批判はすべて自分が負う覚悟」であると言明した。

 その厳しい水際対策が、米軍には適用されず、米軍兵士などが自由に行動した結果、沖縄・山口・広島では異常に感染が拡大した。

 6日にようやく、林外相がブリンケン国務長官に善処方申し入れをしたが、具体策は依然として公表されない。

 国の安全を守るといえばなんでも優先するというロジックか。なるほど、国なる抽象的存在は、コロナには感染しない。

 民主主義を守る国同士の連携を強めると恰好つけても、自国内の人々の健康と安全を無視してよいという理屈は成り立たない。

 これでは日米同盟は対等ではない。

 昔、日本の軍部は、一般社会を「地方」と呼んで蔑視した。軍隊こそが国家の本体だというナンセンス極まりない発想である。

 国民が、国を守る軍部にかしずくべきだという古い思想が、日米同盟下において、再び登場したみたいではないか。