論 考

国民の鋭利な視線こそ

 イギリスでは、ジョンソン首相の評判がすこぶる悪い。無能でうそつき、国民を見下している。取り巻きとともに、大騒ぎしながら突き進む。と、ボロクソだ。

 批判のなかでも、うそつきと言われるのは、政治家としてはいちばん辛いはずなのだが、議会答弁をみていると、ご本人はほとんど気にしていないようで、ガンガン応酬する。まったくかみ合わない。

 ブレグジットが軽率だったと自戒する国民が増えている。このまま進めば、保守党が政権を手放さざるをえなくなるだろう。

 それにしても、こんにちの政治家は、言葉に信頼をおける人が少ない。世界の政治、とりわけ民主主義各国における政治の自壊的行為が気がかりだ。

 じっくりと政治の1つひとつを考えて、自分らしい見識を磨かねばならない。どう考えても、結局、政治らしい政治を作って行くためには、国民が、政治家にたいして、鋭利な視線で臨むことしかなかろう。