論 考

立ち止まって考えるべき

沖縄辺野古の埋め立て工事で、玉城知事は、軟弱地盤対策にともなう政府の設計変更申請について不承認を打ち出した。

 建設地のキャンプ・シュワブ南側39.3ヘクタールは完了、北側111ヘクタールが、海底軟弱地盤で、杭打ち7.1万本が必要だという。実のところ、これがうまくいくかどうかもわからない。大阪城建築の「杭倒れ」の故事もある。

 2022年に普天間基地返還としていたが、すでに30年代後半になると見込まれている。

 辺野古基地は国の安全に不可欠という理屈だが、かつて大蔵省主計官が、昭和の三大バカ査定として記者会見で発言し、物議をかもした。筆頭に上げられた、戦艦大和・武蔵と重なって見える。

 完成の暁には、戦略的に無駄でしたということにもなりかねない。すでに、総工費は当初目論見の2.7倍だ。本当に平和戦略上意義があるのか? 標的になることは間違いなかろう。

 来年は、沖縄返還50年、その内実のお粗末さは隠しようもない。基地がさらにその実態を延長するだろう。