論 考

国民のチェックが大切

 岸田内閣には、安倍・菅内閣のように形の良い看板を掲げて、中身は実質先送りをさせないようチェックすることが大事だ。

 昨日発表された、「新しい資本主義実現会議緊急提言」の物足りないことは、提言が以前からの懸案をぞろぞろ並べたもので、岸田流「新しい資本主義」の理論的整理がまったくできていないことである。

 そのためにメリハリがない。

 もちろん、喫緊に着手できるものからやるという触れ込みだ。短期間に「新しい資本主義」理論が構築できるわけもないので、それは当然である。ただし、選挙対策の見せかけ・誇大宣伝で終わらせぬようにしなければならない。

 同会議が尻つぼみにならぬよう、引き続き追いかけよう。それにしても、緊急提言としては、いかにも総花的である。

 コロナ対策は、専門家が新しい考え方を発表したが、インパクトが弱い。感染症対策における進歩が見られない。指標も見えにくくなる。

 コロナが収束へ向かった最大の功労者は、なんといっても国民1人ひとりである。実情についてのアナウンスメント効果を下げるみたいだから心配である。

 今度の方針では、自治体が前面に出る。政府には、直接の不満がぶつけられないように考えたと言えなくもない。それはそれで、岸田氏としては、(皮肉をいえば)「コロナ対策が最大課題」と大見得切ったことの対処ではあるが、これも、さらに進捗状況から目が離せない。