論 考

世間的人気の悩み

 自民党総裁候補の河岸高野のみなさんは大変だ。安倍・菅政権は、国民に対するサービス精神の欠落がおおいに批判された。この際、世間受けする内容と、大衆的ポーズを押し出さねばならない。これは容易ではない。

 しかし、痩せても枯れても自民党は「玄人筋」の政党であるから、世間受けすればするほど、国会議員の票が減る。これはおおいに心配だ。

 もちろん、誰かにぶっちぎりの世間的人気が示されるならば、自民党は選挙プロ揃いだから、議員諸君は、一時的に「玄人筋」を変節してでも、世間的人気第一人者へと雪崩を打つ。序盤戦では、ぶっちぎりは出ていない。

 国会議員の支持は、岸河高野の順、党員党友の支持は、河岸高野の順という評判らしいが、目下は誰も過半数獲得に至っていない。

 つまり、世間受け狙いの河野氏の目論見は成功していない。議員支持狙いの岸田・高市両氏としても、議員支持ぶっちぎりとはいかず。野田氏1人、わが道を歩むの感じだ。

 第1回投票で過半数獲得できなければ上位2者による決選投票となる。今度は議員票は同じだが、党員党友票が都道府県連各1票となるので、派閥の出番という傾向になる。

 派閥の動きが活発化すると、よくもわるくも自民党らしさにスポットが当たる。批判された自民党的いやらしさを取り繕いつつ、意中の候補者を押し上げねばならない。派閥のみなさんも大変だ。