日々道楽

アンチ安倍の旗印

 自民党総裁選での候補者の動きで共通するのは、安倍氏のご威光である。党内実力者の支援を得たいのは、当たり前の候補者心理である。

 問題は安倍氏が、森友・加計・サクラ問題で、社会通念からすれば明らかに無理筋をやっていて、いずれも未決着である。それらは、天下国家の問題というよりも、甚だ程度の低い政治の私物化である。8年間も政権を担った人物にふさわしいものではない。これは、いわゆるアウトロー世界の親分と同質である。

 理屈をいえば、「安倍+菅」政権の9年間において、議会政治を形骸化させ、三権分立を尊重せず、行政優位の体制へ突き進んだ。さらに、「言葉」の価値を失わせて、国に対する信頼性を大きく毀損した。

 このように見てくると、自民党総裁選での候補者は、安倍的政治を踏襲するのか、政治の清新さを回復させる提案をするのか。親安倍か、アンチ安倍かが問われている。

 外から見れば、党の顔を変えるだけではなく、党の中身を変えるべきである。しかし、時間の経過とともに、例によって緊張感が薄れて、顔だけ変えればよろしいという流れが形成されつつある。

 岸田・高市・河野は、どうやら安倍的なるものに取り込まれそうな気配だ。石破氏が決断するとすれば、アンチ安倍を掲げることによってこそ、世間の評価を受けられるだろう。