論 考

アフガニスタン再建の一歩になるか

 日本では、嫌われ者の権力者が去る。アフガニスタンでは、嫌われ者が本格的に政権を担うところまで来た。近々、政府の内容が公表される模様で、詰めをおこなっている。

 パンジシール渓谷で、タジク族を中心とした勢力とタリバンの戦闘が続いているが、目下、帰趨はわからない。

 EUの欧州委員会は、タリバン政権に対して関係構築のためのメッセージを発した。最大の条件は2つ、アフガニスタンをテロの温床にしないことと、女性・メディアなどに対する人権の保障である。

 これはタリバンも想定内のはずだ。政権を担えば、破壊ではなく建設をおこなわねばならない。国際的支援がなければ建設は到底成功しない。

 外国の承認を得て、関係を構築するためには、タリバン内部をまとめなければならない。果たして、それが可能か。タリバンが放逐された20年間に、どのような政治的学習を積んだであろうか。

 アフガニスタンの人々にとっては、戦乱期にけじめをつけて、国作りに進めるかどうか。この数日が注目される。