論 考

タリバン復活

 アフガニスタンで、タリバンの攻勢が続く。情報があいまいな面があるが、全州の1/8、領土の65%をすでに制圧したようだ。

 首都カブールは、1~2か月で孤立状態になり、陥落するだろうという観測も出ている。ガニ大統領が北部のマザリシャリフの政府軍を激励に入った。政府軍の士気は極めて低いという。

 米軍が撤退を始めて、タリバンの攻勢が始まった。バイデン氏は、撤退は完結させる見込みである。アフガニスタンの人々に闘えと激励もする。また、「米軍はアフガニスタンの国造りに行ったのではない」と、まことに正直! だ。20年間にわたってかき回しておいて、グッバイというのは違和感が大きい。

 中国王毅外相はタリバン政治委員会トップのパラダル一行と先月末に会談した。アフガニスタンの問題は、アフガニスタンの人々が決めるべきだという見解で一致している。

 タリバンの復活がアフガニスタンをどう動かすか。さらには、中東情勢にいかなる変化が生じるか。はっきりしていることは、武力依存で権力維持を狙うかぎり、人々の生活の安寧は得られない。