本日の読売社説は「G7首脳宣言 民主主義国の結束を示した」と書いた。
民主主義が、「人間の尊厳=基本的人権の尊重」に立脚するからには、国家が人々の人権を左右するような、とりわけ戦争は断固拒否する。つまり、民主主義は理念としての平和主義と同一不可分である。
とすれば、軍事力による威嚇や、世界を再び「冷戦」に落とし込めることは基本的に避けなければならない。ところが、メディアは台湾海峡緊張論を煽り、それに乗じて軍事的に中国への対決姿勢を構築することをさらに煽る。常識的に考えて、台湾海峡の緊張が激化すれば武力衝突が危惧される。
毎日社説は「G7の対中国政策 世界の分断を招かぬように」と主張した。これが大事である。さらに同社説は、「新冷戦になれば、米中対立の最前線に日本が立たされる」と警鐘を鳴らす。これもその通りである。
ところで、保守右翼は、「立たされる」のではなく、積極的に「立つ」ことを煽っているフシがある。もちろん、最前線に立つといっても後ろに米国が控えているという安心感! があるからだが、そのような流れが世界戦争に通ずるという危機意識を持ち合わさない。無責任である。
「台湾問題⇒米中問題」とならないように、尽力するのが日本の仕事だ。菅内閣に、その見識があるかどうか。どうも怪しい。このような課題では、威勢のよい言葉が増えやすいが、負け犬の遠吠えに似ている。くれぐれも慎重に考えて行動せねばならない。