論 考

G7は成長できるか!

 6月11日~13日、G7がイギリスのコーンウォールで開催されている。

 軽量級だと不評のジョンソン氏にとっては国内的人気挽回のチャンスである。バイデン氏はトランプ氏が破壊した各国との関係を修復する証明である。こんなことは実は小さい。

 G7が始まった1970年代、G7の世界GDPシェアは80%、いまは40%に落ちた。7か国が経済的に、相対的に力を落としたのだが、客観的には世界各国の格差が均されたのだから、悪いことではない。経済的にはすでにG20である。

 G7のアイデンティティは何か? これは難しい。民主主義のクラブであるという説もある。しかし、民主主義のクラブとして世界の啓蒙的役割を果たすのは容易でない。

 むしろ、民主主義のクラブを軸としつつ、世界のブロック化を進めるのであれば、それは民主主義理念を貶めることだ。

 本当に民主主義のクラブとして進化させるには、挙って国連活動を盛り上げる戦略が大事だろう。第二次世界大戦の戦勝国クラブとしての国連を、21世紀的に進化させようという首脳連の意欲が高まっていってほしい。

 それが民主主義のクラブとしてのアイデンティティであろう。