論 考

毎度お粗末のかぎり

 昨日の菅氏記者会見。記者が緊急事態宣言は「当初から(4月25日から5月11日までの)17日間では短すぎるとの(専門家の)指摘があった。期間設定・対策は適切だったか?」と質問したのに対して、菅氏は「人流の減少という目的は達成できた」と回答した。答えていない。

 ここで、記者は「目的が違うではないか」と再質問するべきところ、残念ながら次の質問へ。やりとりを聞いていて、とてもじゃないが、「まあ、菅さんも大変ですね、ご苦労さまです」と社交辞令を言う気持ちが湧かない。

 だいたい人流とは何だ。物流から引っ張ってきたと思われるが、人はモノではない。1人ひとりの社会的行動を、右往左往するだけの群衆としてとらえ、笛を吹けばどうでもなると考えているらしい。

 記者の「五輪(パラ)が、(こんな状態で)開催できるのか?」という質問には、菅氏は「選手関係者の感染対策・ワクチン供与・選手の毎日検査、感染症対策を徹底する」と、またまたトンチンカン。日本の感染対策で五輪開催の資格があるか問うているはずだ。ここでも再質問はない。

 再質問がないから、答えになっていなくても、片付いたことになってしまう。議会でもそうだ。質問を事前に通告させて答弁を用意するのだが、その答弁がすかしたり、ごまかしたりのオンパレードだから、論議にならない。

 感染問題への対処は、最初から無為無策、後手後手のくり返しだ。「深くお詫びします」と心にもない言葉を連ね、「先頭に立ってがんばります」と、問題先送り。ワクチンは2800万回分到着しているが、接種したのは400万回分。2400万回分未使用だ。医療関係者が20%、高齢者は1%にも満たない。

 これで性懲りもなく解散・総選挙日程を画策しているというのだから、厚顔無恥と謗られても仕方があるまい。仕事はできない、国民諸兄への誠意はない。これでは取り柄がない。