論 考

追い込まれて泥縄だ

 菅政権の泥縄が開始した。大手町合同庁舎を使って、自衛隊医官と看護官による大量ワクチン接種をやるという。7月末に高齢者の2回目接種完了を目指すが、どうも捗々しくないので、奥の手というべきだろうが、総選挙を控えて焦っている感は否定しがたい。

 昨年から、感染症対策の基本戦略を無視して、ちゃらんぽらんにやってきたものだから、目下は、全国的に感染拡大が収まらない。

 25日からの緊急事態宣言の効果が出るのは、解除予定の5月11日がギリギリだが、そこで安心できる状態になると考えるのは、例によって神頼みに過ぎない。専門家は宣言期間は最低でも3週間と言っている。

 1つひとつの仕事を丁寧確実にやるというのは、極めて当たり前の心構えだが、政治の指揮を執る連中が本気でやらなかったツケは大きい。なおかつ危惧されるのは、いまだ、性根を入れ替えたように見えないことだ。