論 考

独立国の誇りを持とう

 1996年に普天間飛行場の返還が決まったが、すでに25年を経た。返還するには代替地が必要だとする米国の注文に基づいて、すったもんだが続き、辺野古の埋め立てが決まったが、沖縄県民に限らず反対意見は少なくない。

 民主党鳩山政権のとき、最低でも県外移設を提唱したが実現しなかった。鳩山氏の迷走が語られるばかりだが、鳩山氏の提案は決して間違いではない。問題は、超党派! で、議員諸氏が本気にならなかったし、いまもそうだ。

 その辺野古も地盤軟弱問題が露見して、厳密にいえば完成できるかどうかわからない。もちろん、反対意見は一貫している。沖縄県を除く一般国民も1人ひとりが問われている。わたしは反対を再度表明する。

 日米首脳会談で、辺野古建設反対意見を封じるために、菅氏は、切り札の中国脅威論を日米合作で推し進める可能性がある。しかし、それは大間違いで、以降の国際情勢を極めて危険なものにする。今回の首脳会談では、最低限、中国包囲網なるものを強化しないことが大事だ。

 強大国が角突き合わせる事態を避ける努力をするのが、それ以外の国の使命である。また、その姿勢を捨ててしまうことは、日本の場合、独立国としての見識を放棄することと等しい。独立を放棄するよう見識の人間を愛国者とはとても言えない。