論 考

コモンセンス復活へ

 フロリダ州、ペンシルヴェニア州、ノースカロライナ州などで、共和党員が6.8万人離党して、無所属や民主党へ移っているそうだ。理由は、トランプ氏に引きずり回されたこと。1月の議事堂襲撃事件にほとほと嫌気がさしたこと。さらには、相変わらず共和党内にトランプ信者が幅を利かせているからだ。

 不満があるからといって、嘘でもホラでも、自分と共通するから支持するという事態になると、デモクラシーは成り立たないし、まちがいなく社会は乱れる。これがコモンセンスというものだ。地味な動きだが、このような行動が共和党を変えていくだろう。

 22日には、ニューヨーク市マンハッタン地区検察が、トランプ氏の2011年1月から19年8月までの納税申告書の閲覧を要求していた裁判で、連邦最高裁が、トランプ氏側の反論を斥け、検察の要求を認めた。トランプ氏は例によって魔女狩りだと文句を言っているが、申告書を提出せざるを得ない。

 大統領としての弾劾裁判は、無役になったからなんとか逃れたが、一般市民としての義務は逃れられない。これも、トランプ離れに貢献するかもしれない。