日々道楽

政治が科学を妨害する

 アメリカでは、例年インフルエンザの感染が930万人~4500万人、死亡が1.2万人~6.1万人、入院は14万人~81万人であるが、今年のインフルエンザ感染はほとんど目立たない。入院もいままで155人のみである。

 コロナウイルス対策が奏功してインフルエンザ被害は少ないらしいが、コロナウイルスの感染は2700万人超で、死亡が47万人だから、やはり被害が大きい。

 トランプ政権は、ウイルスが武漢ウイルス研究所から流出したという、まったく根拠のない説を吹聴した。世界の専門家によるゲノム分析では、それより以前に否定されている。

 再選をめざすトランプ氏が、国民の不満をそらそうとしたのは疑いがない。

 このほどWHO調査団が武漢入りした。科学的にウイルスの発生源を特定するのが極めて困難だというのは学界の常識である。

 そこへ政治的思惑が押し出されて、なおさら科学的解明を妨害する論調が蔓延している。政治が科学を妨害する典型的事例である。しかも、わが国のメディアも、単純にトランプ的フェイクに基づいて報道している傾向が強い。

 慎重に事態を検討せねばならない。中国とWHOが結託しているなどのわかりやすい話は、問題の本筋から外れていることを知っておきたい。