論 考

デモクラシー指導者の条件

 デモクラシーにおける指導者は、最低限3つの規範を頭に叩き込んで、日々の実践行為がそれを踏み外さないようにしなければならない。

 第一は、自分が絶対的価値を代表していないという認識。

 第二は、自分の支配行為をつねにオープンにすること。

 第三は、自分に対する批判を真摯に受け止めること。

 そして、2つのタブーがある。

 一つは、大言壮語する。

 二つは、人々を扇動する。

 菅氏の人気が高まらないのは、3つの規範の認識がないからだ。

 安倍氏は、3つの規範など、どこ吹く風、考えたこともなかっただろう。しかも、2つのタブーをつねに冒した。

 目下、人気低迷中の菅氏は、2つのタブーについては慎重に処しているようだ。その点は安倍氏より少しマシかもしれない。

 これから政治のリーダーをめざす心意気をもつ政治家は、前轍を踏まず、3つの規範と2つのタブーを拳拳服膺してもらいたい。