論 考

誰がリーダーシップを発揮するか

 バイデン氏が、じわりと存在感を示しつつある。一方、共和党は、トランプ信奉者・トランプ反対派の対立があり、それに保守派と日和見派の4派がそれぞれの思惑を抱えて模様眺めしている面もあるらしい。

 信奉者・保守派・日和見派のいずれもトランプ人気健在となれば結束を強化するだろうが、トランプ氏弾劾が成立しなくてもトランプ人気は急速に冷えつつあるという分析も出ている。

 共和党が、自陣営の分裂傾向が収まらないようであれば、バイデン路線を妨害しようとしてもかえって足並みを乱すことになりそうだ。

 その流れを参考にわが国内政治をみると、政府与党は内部に次々に減点行動が目立つ。森発言一つにしても、素早く対処できない。にもかかわらず、政治家各人は、森発言に対して、批判しないわけにはいかない。

 菅氏はじめ、猫のクビに鈴をつけられる度量がない。本日読売社説は、「発言の影響を踏まえて、身の処し方を再考すべきではないか」と書いた。森氏が決断しなければ、五輪懐疑論が高まる。

 欧州では、2024年バリ五輪も危ぶんでいる。22年中国投企五輪に対しても同様だ。東京五輪に対しては、もっと懐疑論が強い。このままでは森氏が、自身のではなく、五輪の幕引きをやることになるのではないか。本件については、首相と都知事の出番であろう。