論 考

菅内閣の危機へ

 読売新聞の意識調査で、内閣支持率が39%・支持しないが49%と出た。コロナ対策の不手際が原因との見方が出ている。

 それもあるが、もう一つ、本質的な菅氏のマネジメントスタイルを嫌う雰囲気が台頭しつつあるのではないか。

 私は、日本人のデモクラシー意識は感心するほど高くはないと分析しているが、一方、他人の意見を聞かないリーダーを嫌う意識が根強くあるとみる。

 トランプ氏にまつわる一連の問題は、もちろんアメリカのことではあるが、人々の関心は非常に高い。バイデン氏が、就任10日間で、4つの危機に対処すると発表した。いわく、①新型コロナの危機、②それによる経済危機、③気候変動危機、④人種問題――である。

 これらはワンマン経営を好き放題やったトランプ氏に全面的に対決する内容だが、その核心は、いままで無視された世論を復活させるものだ。

 これは大きい流れである。わが国内でも、安倍内閣以来、世論無視の横暴な政権運営が長く続いてきた。権力を恣意的に行使するのはいい加減にしてもらいたいという雰囲気がこれから高まるのではなかろうか。

 菅氏が、それを読めるか。読んだとして、いかなる手立てを講ずるか。代わり映えしなければ、支持率はますます下がるだろう。