論 考

米国的民主主義の危機は続く

 トランプ支持派の議会乱入事件では、議会警察は常時200人らしいが60人ほどが負傷した。乱入者に頭部など殴打された。鉛のパイプや刺激性物質を使った。議会警察は、情報収集せず、このような事態を想像しなかったという。

 大きなデモ行動などが予想される場合、FBI指揮本部に、地元警察・議会警察・大統領警護部・連邦公演警察が集まって警備方針を立てることになっているが、今回はおこなっていなかった。

 過激派はネットを通じてさらなる行動を示唆している。今回の行動は過激派だけではないとも見られている。

 1月20日のバイデン氏の大統領就任式が次の標的になるのではないかという予想もある。暴力行為が常態化する危惧がある。

 なにしろ確かな証拠なく、トランプ氏が不正選挙をぶち上げ、それを頭から信じ込んで行動する過激派以外の人々が多い。今後も過激派の作戦が奏功する危惧は消えない。

 目下、大問題になっているのは議会警察の準備不十分だが、現職大統領が暴動を呼びかけたのだから、物理的な問題も小さくはないが、問題を政治的に処理できるかどうか。民主党も共和党も、政党として、政治家としていかなる発言と行動ができるか。

 南北戦争以来の大問題に直面していることは疑いがない。