論 考

共和党にも反トランプ広がる

 ツイッターとフェイスブックが、トランプ氏のアカウントを停止して反省を求めた。トランプ氏は暴動をけしかけたが、7日には一転、暴動を最も強い言葉で非難すると発表した。相変わらずのご都合主義だ。

 共和党の議員も中からも、トランプ批判が出ているし、トランプ政権の幹部の辞任も続いている。

 大きな動きは、全米製造者協会NAMが6日、ペンス副大統領に、米国憲法修正第25条によるトランプ大統領の罷免検討を求めた。

 その理由として、同協会CEOのティモンズ氏は、「トランプ氏が民主主義を拒み、無政府状態を支持している。これは反乱だ」と、きわめて強い調子で非難した。同協会は全米経営者団体の中でも大きな影響力をもつ。しかも、従来共和党寄りが明確であった。

 * 修正第25条は次のような内容である。

 第1節――大統領の免職、死亡、辞職の場合には、副大統領が大統領となる。

 第3節――大統領が、その職務上の権限と義務の遂行が不可能であるという文書による申し立てを、上院の臨時議長および下院議長に送付する時は、大統領がそれと反対の申し立てを文書により、それらの者に送付するまで、副大統領が大統領代理として大統領職の権限と義務を遂行する。

 第4節――副大統領および行政各部の長官の過半数または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申し立てを送付する時には、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする。

 トランプ氏の政治的命脈を断つのが、共和党にとっても最善の選択だ。ここまできたのだから、この際、修正第25条を発動するのが上等だ。