論 考

視界不良だが

 コロナ騒動が続くという事実は明確だ。1日の東京は抜けるような青空だが、視界は不良である。それでも全く見えず打つ手がないわけでもない。

 1人ひとりは慎重に行動する。国や自治体には、早期発見・早期治療おこなうべく、3T=Testing・Trackig・Tracing(感染者発見・感染経路追跡・接触者追跡)の基本体制を拡充してもらいたい。

 医療体制も危機的状況だが、まったく打つ手がないわけではなかろう。惰性的に流されるのではなく、やるべきことの確立、やれることをスケジュール化して、1つひとつ着実に詰めていく。かけ声対策や、気の利いたコピーを作るのはほどほどにして、国や自治体が具体的にやることを人々に示してもらいたい。

 日本の政治家(官僚も含む)は、昔から手の内を隠すのが得意だ。洗いざらい手の内を公開すると、「お上」の価値が下がると考える人が多いからだ。

 コロナ騒動は、お上だけでは到底克服できない。これまでの体験から、いかに政治家の権威がコロナ対策に無力か分かったはずだ。みんなで取り組むしかない。まずは、何がわかっていて、何が可能であるのか。それを政府は整理して、人々に公開する。そこから誰もが無関係ではないから、1人ひとりがいかにあるべきかの意志が培養される。

 それが政治の王道というものだ。