論 考

ロジスティクスの視点

 世の中が乱れるのはいろいろな分野に症状が出る。

 水虫の薬に、睡眠導入剤を混入したのは製造工程の問題。

 米国では、大半の州で病院向けのゴム手袋が非常に不足している。世界最大のメーカーであるマレーシアのトップ・グローブがコロナ感染で生産停止したからであるが、今度は、闇市場が活発になった。卸売市場が整備されていないためだという。

 ロジスティクスという言葉が定着して久しい。製造から消費者の手元に届くまで一連の流れがトラブルなく円滑の機能するのは、当たり前でなければならないが、大変なことだ。

 米国のロジスティクスの凄さは第二次世界大戦で証明された。軍事用語では兵站であるが、これが、米国本土の製造者から第一線の兵士の手元まで極めて効果的に届けられた。もちろん航空機・弾薬・食料などすべてにわたって円滑に運用された。

 コロナ騒動を戦争に例える政治家は少なくないが、実際には、ロジスティクスというカテゴリーで考えると、とてもじゃない不十分な戦闘! をしている。

 菅氏は「先手、先手」と見え透いた発言をするが、国民生活全体についてロジスティクスの発想をお持ちか?

 コロナに限らず、政治家はつねづねロジスティクスに対してしっかりとアンテナを張っておかねばならない。