論 考

よくも悪くも日米政治家の度量

 ごたごた物議をかもし続けてきたトランプ氏が、26日、ようやく12月14日の選挙人投票結果で敗北すればホワイトハウスを去ると言明した。

 選挙人が11月3日の一般投票に反して自主的! にトランプ氏に投票するように策動したが、どうやら無理だということを理解したらしい。

 とはいうものの、選挙人投票が終わるまでは予断を許さない。とにかく選挙人投票の結果を待つしかない。

 それにしても、他国ながらこの間のトランプ氏の奮闘ぶりは、まことに厚かましい。選挙で選ばれる人が、自分が選ばれなかったら不正選挙だと吠えるのだから本末転倒だ。日本流なら、散り際が肝心というべし。

 こちらは、散り際が愛される桜を見る会の前夜祭で、安倍事務所が参加者のパーティ費用を補填したことを、金庫番だった公設第一秘書が認めた。政治資金規正報告書ら記載すべきであったと反省らしき弁を述べているそうな。

 いまごろになって、殊勝そうな態度であるが、公職選挙法違反を逃れて、秘書のドジで記載しなかったことだけにしたいのだろう。

 トランプ流に比較すると、いかにも日本的! ちまちまとした悪事であるが、安倍氏が議会で大見得切った責任も消えないし、戦後75年も過ぎて、首相職に就くような人物が選挙民を饗応接待するという不細工な事実も消えない。